かきたまじる

鉄は熱いうちに打て

個人日記‐小説

スタートライン

「次はプログラム12番、徒競走です。競技に参加する生徒は入場門付近に集まってください」 放送部のアナウンスが聞こえた。姉はビデオカメラを構えた。自分の娘が出る競技らしい。 「ほら、あそこ!美弥がいるよ」 姉は自分の娘を見つけてはしゃいでいる。…

お弁当

お昼になった。腹が減った。僕はお弁当を取り出した。今日から給食はなくて、毎日、昼はお弁当だ。高校ではお弁当が当たり前らしい。ふと僕は何年か前、まだ僕が小学生だった頃を思い出した。 小学生のときは毎日昼になると給食が当番によって運ばれてきてい…

最後のチャンス

今年も「あれ」が出てくる季節になった。皆今年こそは勝つぞ、と意気込んでいる。私はチョークを握った。 「榊さん」 「はい。私は材料を変えるべきだと思います」 材料を変える、と私は黒板に書き込んだ。 「たとえばどんな材料を使うのですか」 「そうです…

いま、迎えにゆきます

人ならきっと「どこか遠くへ行きたい」というような、希望の形をした願望が、きっとあるはずだ。何?そんなものはない?馬鹿言うな。そんなことはない。絶対あるはずだ、断言する。私にはある。どこか知らない所へ、あてのない旅をしたいという、そういう希…

いつかこの鯉を思い出してきっと泣いてしまう

私がかつて通っていた小学校には庭園があって、小さな池があった。そこには青々と緑が茂っていて、真っ白いけれど少し汚れた、威風堂々たる佇まいをしている百葉箱がある。ちょっとした秘密基地のような、すてきなところなのだ。さてそんな池の中には常に何…