かきたまじる

駅メモ・リヴリー・ノベルゲームが好き

幸色のワンルーム改めて読んで見た

幸色のワンルームが何かと話題になってるので、改めて2巻まで読んで見ました。

 

で、わかってたんだけど、やっぱりこの作品は薄っぺらい。

 

たしかにこの二人の行く末とか先は気になる。気になるのだが、ツッコミどころが多いのと、ひたすら同じことを違う言葉でポエム呟きすぎててくどいのである。

 

1巻で「僕らは誘拐犯と被害者という関係を何気ない会話に溶かして、現実から目を背けている、お互いの本心は探らない。だから結婚失敗したときの約束に指切りはしなかった」…と、ほのぼの料理から一転、料理に例えたポエムが呟かれる。

「あの時から、僕の生きる意味はなくなったと思っていた、彼女が僕を必要としてるなら、僕は彼女のために生きようと思う。たとえ彼女の本心じゃなくても」

ポエムに至るまでのことが一切書かれておらず、ふわふわと「何か」あったらしきことを匂わすようなことが多いのです。炭酸の抜けたサイダーを浴びせられるような、中身のないスカスカのなにかを、連続で浴びせられるとうんざりするというものです。

 

続く2話では、幸側のポエムで

「お兄さんの言いたいことわかるよ。それが幸の本心なの?それを聞かないのは二人に本心なんていらないから」

 

本心本心うるっさいわ!

 

本心いらないとか言いつつもめっちゃ気にしてるだろ!

 

わかるよってあんたらテレパシーでも使ってるのか?!

 

「お兄さんのことまだよくわからないけど、昔何かあったのはわかる」

 

まだよくわからないのに言葉を交わさずとも言いたいことがわかるよってなんなのだ君たちは!!どっちなんだもう!!

 

幸が頭いいと勘違いしてる普通の子にしか見えない私はつっこみたくて仕方がない。

 

剃刀を当てられて怖がらない幸にぞっとするお兄さんは幸の笑顔がどこまで本物なのかと気にしているが…やっぱり本心いらないといいつつも本心が知りたいんだと言ってるよーにしか見えない。

 

書き下ろしのデート回で、同級生に見つかってなんとか回避する展開はともかく、そのあとの幸せだから死のうとするところは唖然とするしかなかった。君たち誘拐事件の当事者の意識あります?あんな白昼堂々と目立つようなことして…しかもお兄さん、逃げ切って結婚するんだろとか聞かれたらやばそうなことを大声で叫ぶっていう……これはギャグ漫画ですか?お兄さんに心酔してたら盲目にオニーサンカッコイー、ってなるんだろうが、私にはできない。これはできない。

 

2巻の、教師が動画を使って幸をおびき出す展開もツッコミどころが多すぎる。幸が動画を見るかどうか、確実でないのにそんなので呼び出そうとするところとか…書き下ろしではお兄さんに執着する女が出てくるが、お兄さんについて明かされた名前とか諸々、全部嘘だったと最後で分かるので、分からないことがひたすら広げられたなという印象だった。

 

 

 

1巻読んでると、お兄さんが幸大好きのように見えてくるんですが、pixivの連載見てると、「幸のこと好きなのは嘘」ってお兄さんが言っていて、なんなのだろうな、この人は…あれだけ好意ありきなことしておいて言うことがそれですか…とやはり興ざめするのです。お兄さんが、自分と似た境遇の幸に必死すぎて気持ち悪い。

 

 

4巻読んで見ました。

結婚式のところで二人の関係性が変わり、幸はお兄さんの本心を気にするようになったことを変わった、と印象的に語ります。序盤に本心本心言いまくってたのはそういうことかね。合点がいった。

二人を追う松葉瀬さんという探偵さんもかなり足取りを掴んでいます。この探偵の足取りの掴み方は、いくらなんでも都合よすぎだろ…と思わなくもないのですが、見つけるのか見つけないのか、次巻を待つ。