かきたまじる

駅メモ・リヴリー・ノベルゲームが好き

万引き家族と幸色の話とか

万引き家族」を見た。パルムドールとかいう大層な名前の賞をとったすげー映画をミーハー心丸出しで見に行ったら何一つわかんなくて退屈で退屈で途中からスクリーンじゃなくて映画館の座席を見ていた。ここまで感情移入できないビミョー映画は秘密以来である。そりゃあ、たぶんね、映画に肥えた人とか、是枝ナントカさんという監督の映画が好きですとか、そーゆー感じの、わかる人が見ればわかる、すごい、感動っ!ってなるんだろーが、私には分からなかった。ていうか途中まであの家族をずっと本物だと信じていた。生活が苦しくて万引きして暮らしてて、ばぁちゃんの年金が頼みの綱、憎まれ口は叩いてても真の愛がある家族なんだろうなみたいなね。ただずっと違和感、違和感はあった。とうちゃんかあちゃん、って翔太が呼ばないところをはじめとして。それが、翔太が捕まってから夜逃げしようとあたりでようやくネタバラシという感じか。しかし、わからなかった。なんで偽の家族なんか、やる必要があるのか。誘拐や万引きなど犯罪に手を染めてまでその関係を続ける意義が、さっぱり分からなかった。メリットあるのかそれは。

 

どうしてばぁちゃんの年金なんて少ないお金を当てにして、暮らしているのか、とにかく分からない。なんかもっと他に当てなかったのか。そして、ばーちゃんの過去もよくわからない。私の脳みそがあの映像に追いつけない。この家族の行動理由が全くもって理解できなかった。しかし場面はぱっぱっぱっと変わっていく。理解できないまま進んでいく。作中で語られたスイミーとかもなんか意味あるのかもしれないが、よくわからなかった。でもカンヌは大絶賛。私が分からなくてもこの映画は大絶賛されている。

最後、りん?ゆり?じゅり?まあ女の子がベランダから外を覗くシーンが流れ、そこでエンドロール!あら、そこで終わるのか。たぶんもう一回ぐらい見たらいろんなシーンの意味がわかってくるのかもしれないが、次見るとしたら、地上波初公開!!とかテレビに映る時だろう。

とりあえず、まあ、私はこの擬似家族たちの今後が気になりました。

 

 

私にパルムドールは早かったのだ。

 

 

ところで、ツイッターで小耳に挟んだんだけど、万引き家族幸色のワンルームと比べてる人がいるらしい

 

うまく説明できないが、個人的には全然違う話だと思う。

 

万引き家族は「万引きしないと暮らしていけないほど苦しい貧困家庭の話」ではなくて、「万引きや誘拐など犯罪を通じてかろうじて繋がってる家族」て感じである。見た感じあまり貧困に喘いでいるようには見えない。

 

一方幸色は「美少女が美少年に誘拐されるけどこれも幸せの一つ」って感じ。こうして書いて見れば、犯罪で繋がる絆、という共通点はありそう。

 

幸色って私個人的にはあまり好きではないが追いかけてる漫画のひとつ。圧勝みたいなもの。嫌いだけど好きみたいな感じだ。

 

幸色は感情描写が薄い。みんなにっこり笑顔で本心を隠す人ばかり。そして、同じこと何度も何度も言ってきてくどい。白髪イケメンが誘拐するとか、少女が誘拐虐待性的虐待いじめと、これでもかというぐらい不幸設定をつけられていることとか、少女が頭にずっと包帯を巻いている理由、白髪がずっとマスクしてる理由、ネット動画で少女をおびき出し成功するという御都合主義、そして当たり前のようにタイミングよくやってくるお兄さん…都合良すぎて反吐が出ます。何が言いたかっていうと、幸色はリアリティがない。犯罪を扱ってるがどこまでもあり得ない設定すぎてリアリティに欠けるのでファンタジーみたいなのだ。

 

万引き家族はかなりリアリティがある。なんか説明しづらいが、私はこの二つは違う話だと思う。幸色ドラマ化するそうだが、あの話を上手いこと纏められるのだろうか。いろいろ思うところはあるが楽しみにはしてる。